タイトル | 被害者のトラウマとその支援 |
編者 | 藤森和美 |
執筆者 | 小西聖子、笹川真紀子、藤森和美、柑本美和、石井朝子、坂上香、中島聡美、 藤岡淳子、大澤智子 |
出版社 | 誠信書房 |
出版年月 | 2001年6月30日 |
ISBN | 978-4-4144-0352-7 |
目次 | 序文 第1章 被害からの回復過程―ある被害者の経験から 第2章 被害者感情の理解と対応 第3章 我が国の犯罪被害者保護に関する法的支援の現状 第4章 米国における被害者援助の歴史と現状 第5章 被害と加害の連鎖を断ち切るために―治療共同体「アミティ」の試みから 第6章 ドメスティック・バイオレンスの被害者の心理とその支援 第7章 女性犯罪者の被害と加害―殺人者を中心に 第8章 二次受傷から身を守るために―支援者の傷つきを考える 文献 おわりに |
紹介 | 被害者支援に関する情報が、心理的支援の専門家や支援を提供する人々にもっと必要だと感じ、企画・出版された。 第1章では、レイプ未遂で大けがをして生死をさまよい、障害を負った女性の、事件から人生の再構築までの道のり、彼女が受けた心の傷と身体の外相からの壮絶な回復過程が丁寧に書かれている。 第2章の第2節では被害者の葛藤について、被害者が持ちやすいいくつかの困難な感情やPTSDの症状について解説されている。第3節では性被害の複雑さ、強姦神話、性被害者の傷つきやすさ、弾性の性被害について記載されている。 第6章ではDVについて事例を用いて解説されている。DVの共通性、脱却からの困難さ、「被害者」という認識が脱却からの第一歩であること、支援を求める勇気を持つことなどが書かれている。 他には被害と加害の連鎖を断ち切ることや、支援者の二次受傷について書かれており、支援にかかわる人にはぜひ読んでいただきたい内容。 |
感想 | 支援者向けの本ですが、1章のAさんの回復過程や心情については、被害者にとって共感できるところも多く、支えになると思います。2章2節の被害者の持ちやすい感情についても被害者自身が理解することで心理的な負担が少しでも軽減できるのではないかと私は思いました。 本書では、純粋な“被害者”の支援だけを取り扱うのではなく、被害者でもあり加害者となった人々も取り上げ、被害と加害の連鎖を断ち切るために何が必要かについて書かれているのが特徴的だと思いました。加害をなくすことが被害をなくすことだと思うので、そういう視点を持つ支援者がいるということはとても心強いと思いました。 |
E-mail:
purplelabo★gmail.com
※“★”を“@”に変換して送信してください。
匿名、仮名可です。
※返信はPCからになります。返信希望の方でPCからのメールの受信を拒否設定されている方は、お手数ですが上記アドレスを受信できる設定に変更いただけるようお願いいたします。
※相談は受け付けておりません。
※支援関係者・専門家の方はブログの『お知らせ』の最新記事を確認した上でメールいただけるようご協力お願い致します。