タイトル | 生きのびるための犯罪(みち) |
著者 | 上岡陽江+ダルク女性ハウス |
出版社 | イースト・プレス |
出版年月 | 2012年10月4日 |
ISBN | 978-4-7816-9053-7 |
目次 | 「生きのびるための犯罪(みち)」とは T あたしたちのこと ある日のミーティング 仲間たちの話 U あたしたちに必要なこと 〈人権(仮)〉は、ついたり消えたりする もしも、お母さんが「死にたい」と言ったら あとがき 仲間は笑う |
紹介文 | 「ダルク女性ハウス」という、薬物やアルコールなどの〈依存症〉の女性たちの回復と社会的な自立を支援する施設を運営している上岡陽江さんとハウスのメンバーによる著書。 小さい頃から暴力を受け続けてきた人は、自分たちの苦しさ、悲しさ、そしていろいろな痛みから逃れる方法として、薬物や多量の処方薬、アルコールに手を出してしまうことがあること、依存症の女性たちには、いろいろな形で男性の暴力から逃げてきた人たちが多いことが書かれている。 また、女性の依存症に対する社会の偏見の目は厳しいこと、依存症はれっきとした病気で、意思の力ではどうしようもないものであることも書かれている。 “仲間たちの話”では、仲間の幼少期からの壮絶な体験、苦しさや無力感や生き辛さ、ハウスとの出会い、新しい生きかたとの葛藤、などが書かれている。 一人で生き延びているあなたへの、ハウスメンバーの近況報告。 |
感想 | 女性の依存症者には、子供の頃に性的な被害に遭っていた人が多いことがこの本にも書かれていますし、著者の講演でもお話しされています。 私自身は依存症ではなく、子ども時代を虐待などで奪われてきた人でもありませんが、それでも、ハウスの仲間たちの気持ちに共感できるところが沢山ありました。暴力の被害者が生きのびるために、生き辛さを緩和するために、クスリやアルコールを使用してしまうことについて、きちんと理解はできていないと思うけれど、感覚的には共感します。摂食障害や、自傷行為に走る人についても、同じような背景・葛藤があることも少し触れられています。 平易な文章で書かれており、イラストやマンガで読みやすく工夫されているので、暴力の被害に遭って今辛い人にお勧めの本です。「偏見」が「共感」に変わっていく、「自責」が「理解」に変わっていく、そんな本だと思います。 |
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