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書籍紹介Book Review

心的トラウマの理解とケア

 タイトル 心的トラウマの理解とケア第2版
 編者 外傷ストレス関連障害に関する研究会 金吉晴
 執筆者 飛鳥井望、岩井啓司、大澤智子、大山みち子、岡田幸之、岡野健一郎、加藤寛、
加茂登志子、金吉晴、黒木宣生、小西聖子、佐藤志穂子、臼井明美、白川美也子、田中究、
中島聡美、長尾喜代治、西大輔、野田文隆、廣常秀人、藤森和美、前田正治、松岡豊、
柳田多美、山本耕平
 出版社  じほう
 出版年月 2006年3月10日
 ISBN  978-4-8407-3543-8
 目次 目次 総論
 @トラウマ反応と診断
 Aトラウマへのケアの基本
 BPTSDの心理療法
 CPTSDの薬物療法
 DPTSDとソーシャルワーク
各論
 @自然災害(総論と災害前準備)
 A自然災害(急性期)
 B自然災害(中長期)
 C集団毒物汚染被害
 D大規模事故(過失災)
 E災害救援者
 F性暴力被害
 Gドメスティック・バイオレンス
 H交通事故
 I子どものトラウマ 犯罪・いじめ・虐待などを中心に
 J犯罪被害
 K遺族
 L突然の死の告知(Death notification)
 M難民
付録
コラム目次
索引
 紹介  トラウマ研究・臨床の専門家によって執筆されたマニュアル。ISTSSのガイドラインや既に定評のある論文に依拠する学術的な標準である。 
 総論ではトラウマ反応、PTSDの基礎について概要がまとめられている。トラウマケアの基本についてはQ&A方式で具体的かつ明確・簡潔に説明されている。
 性暴力被害については各論7に記載されている。“性暴力被害とは”、“生じうる精神保健上の問題”、“ケア”について記述され、危機介入、継続的なケア、PTSDの精神療法、外傷記憶の取り扱い等について簡潔に記載されている。
 コラムも実際的で、「PTSDと不眠・悪夢」、「生存者の罪悪感(サバイバーズ・ギルト)」、「孤立無縁感」、「強姦に関する偏見(rape myth)」、「強姦の暴力性」、「性暴力被害への対応」などが性暴力被害者には役に立つ。
 支援者向けに執筆されているが、各トピックスは短くまとめられているので、被害者にも読みやすい。
 感想  P136《基本的に医学的検索を行うかどうか、また警察への通報をするかどうかは、すべて原則として被害を受けた本人が決めることであり、患者の意思を十分に確かめてから、行動する必要がある》と明記されています。性暴力被害の支援に関する本でも「警察に行きましょう」「産婦人科で検査を受けましょう」と強制するものも多いので、被害者の自主性を大切にしている本書は好印象が持てます。
 国際的なガイドライン、論文に基づいているため、内容に偏りがなく、数多く出版されている心的外傷に関する本の中で、トップクラスの信頼性を持つ本だと思います。
 扱っているトピックスも多く、本のサイズもコンパクトなので、現場で使えるマニュアルとしても優秀だと思います。 

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