A.「まずは、警察に行きましょうor110番しましょう」という人が多いと思います。私は性暴力被害者支援ワンス
トップセンターが近くにあればそちらに行かれることをお勧めします。出来れば、信頼できる人に連絡を取っ
て付き添ってもらえると安心です。
警察に行きづらければ、産婦人科に行って事情を話せば証拠採取や性感染症検査、避妊対策が出来ます。証拠
さえとっておけば後からでも被害届や訴状を出すこともできます。
警察も、犯罪被害者支援センターも、ワンストップセンターも電話相談を受け付けています。行きづらいと感
じたら、どうすればいいかわからなければ、まずは相談機関に電話をかけてみましょう。電話は匿名で受け付
けてくれます。
自分が嫌だと思うことは無理にしなくていいと思います。
A.性暴力を受けたからといってあなたの身体も心も汚れていません。汚れてしまったと感じるのは性暴力被害者
によく起こることで異常ではありません。
人体を構成する原子は絶えず入れ替わっているし、生理が来れば古い子宮内膜は体外に排出されます。人体は
古いものを排出して入れ替わり絶えず新しい体になっています。被害に遭った時の身体からどんどん新しく変
わっていきます。
A.被害を打ち明けられてとてもショックで驚いていると思います。打ち明けられた方も辛いと思います。知人の
方は、あなたを信頼して被害を打ち明けたのですから、知人を責めたり批判したりすることは言わない様に気
をつけましょう。被害直後であれば、警察や産婦人科、ワンストップセンター等へ付き添うことでも被害者に
とっては大きな安心となると思います。無理に励ましたりせずに、知人のいうことに耳を傾け、してほしいこ
と、してほしくないことをよく理解して行動してください。一人で抱えきれないと思ったら、無理をせずに専
門家や相談機関に相談してください。
A.被害から何年、何十年経っても辛い思い、苦しい思いをしていることは、少しもおかしいことでもないし、あ
なたが弱いわけでもありません。性暴力は、被害者の心を深く傷つける犯罪です。何年も、何十年も傷を抱え
なければならなくなる人も多いです。
性暴力の被害に遭った人の集まる場が民間でいくつか運営されているので、被害に遭った仲間と出逢ってみる
ことで、もしかしたら少しでも辛さを和らげることが出来るかもしれません。
もし、頻繁に被害の悪夢を見るとか、不眠が続いているとか、食欲が落ちているなどということがあれば、医
療機関を受診することをお勧めします。カウンセリングを受けるなどの手段もあります。被害から時間が経過
していても相談を受け付けている機関もあるので、調べてみてください。
急性期のケアは少しずつ整い始めていますが、現在でも、性暴力被害者に対しての中長期のケアは手薄だなと
私は感じています。
A.性暴力は、“加害者=男性、被害者=女性”とは限りません。男性が女性から被害を受けることもあります。同性
間の場合でも性暴力は起こります。同性愛者、性同一性障害などの性的マイノリティーに対しても、偏見を持
ってはいけません。被害者及び加害者の性別にかかわらず、被害者が“性的に嫌な思いをした”、”恐怖や不安を
感じた。”のならばそれは性暴力です。日本の法律や世論は遅れていて、支援を受けられる機関も女性よりも少
なく、偏見を持たれることも多く、言い出しにくいのが現状だと思いますが、女性被害者と同じく、
「あなたは悪くない」のです。
A.性暴力は、被害の内容を比べて重いか軽いかを決められるものではありません。刑法では“性犯罪”被害をランク
分けして罪名を付けて、それぞれに決まった刑罰を与えていますが、それはあくまで司法の世界だけの話です
。被害に遭った人が「恐い」「嫌だ」「苦しい」「辛い」・・・などと感じればそれは性暴力なのです。
「レイプまではされていないのにななんでこんなに悲しい気持ちになるんだろう?」「露出狂に遭った時に一
緒にいた友人は今は平気なのに、私だけドキドキが続くのは変じゃないかな?」などと自分を責める必要はあ
りません。列記とした性暴力です。
A.72時間以内に緊急避妊薬を服用すれば、高確率で妊娠を防ぐことが出来ます。72時間以上経過していても緊急
避妊薬の効果がゼロになるわけではありません。子宮内避妊用具(IUD)を挿入することで着床を防ぐ方法があり
ます。いずれにしろ産婦人科医に相談してみてください。
A.ワンストップセンター併設の産婦人科でしたら、性暴力被害者を専門に診ているので妊産婦と顔を合わせるこ
とはないと思います。通常の産婦人科でも、電話で事情を話して、外来患者の少ない時間に受診できるように
配慮してもらえないか、だめもとで相談してみる手もあります。
私もまったく同じことを思って被害後すぐには産婦人科に行けませんでした。私は被害から時間がたってから
性感染症の検査を“婦人科”で受けましたが、“産科”は付いていなかったので妊産婦には会いませんでした。産科
と婦人科が分かれている病院を探す方法もあるかもしれません。
A.加害者が起訴された場合、被告が起訴事実を認めなければ、あなたが希望しなくても証人としての出廷を求め
られることがあります。
2013年現在では被害者保護のためにビデオリンク方式や衝立を用意することもできるようになりました。検察
官に相談してみてください。
A.2013年現在では、証人尋問に加え、被害者連絡制度、被害者通知制度、被害者参加制度、心情の意見陳述など
の利用が出来ます。各制度の詳細は検察官や弁護士にお問い合わせください。
また『被害者のための刑事裁判ガイド』に被害者の刑事裁判参加について詳しく書かれています。
A.親告罪は被害届のみで起訴できる犯罪、非親告罪は被害届に加えて告訴をしなければ公訴提起できない犯罪で
す。
性犯罪では親告罪は:(準)強姦罪、(準)強制わいせつ罪、ストーカー規制法違反の罪、
非親告罪は:集団強姦罪、強姦致死傷罪、強制わいせつ致死傷罪、公然わいせつ罪、わいせつ物頒布罪、強盗
強姦罪
があります(参考:法令データ提供システムe-Gov)
A.精神科のイメージはここ数年で大きく変わってきています。街中にある“メンタルクリニック”などと看板をあげ
ているところでは内装もきれいなところが多く入りやすい雰囲気です。私は院内で暴れている人や叫んでいる
人に会ったことはありませんのでその心配はないと思います。
通院されている患者さんも見た目では病気だとわからない人もたくさんいます。歯医者に行くのと同じくらい
の感覚で精神科・心療内科に通院されている方も増えてきています。
ホームページを持つ病院・クリニックも増えているので、まずはそちらを確認されるとよいと思います。
A.精神科・心療内科の医療機関で保険診療内でカウンセリングを行っているところもわずかですがあります。通
常のカウンセリングに比べると格段に安いです。ホームページで確認するか、医療機関に問い合わせしてみて
ください。他にも公的機関で割安でカウンセリングを行っているところもありますので、確認、問い合わせし
てみてください。
A.精神科であればどこでもPTSDの専門的な治療を行っているわけではありません。ホームページに行っている治
療法を掲載している医療機関もあるので、調べてみてください。PTSDの治療法にも種類があるので、ご自身の
受けたい治療があるかどうか医療機関に確認してみてください。
A.@被害直後:処女膜の破れがあり出血しました。3日くらい痛みと出血が止まりませんでした)
A被害から2年後:初めてフラッシュバックを起こし、それからは毎日強姦される悪夢を見て、日中も
フラッシュバックを起こしました。思い出したくもないのに被害のことがいつも頭に浮かんできて、震えが
止まらず、不安と恐怖に怯える日々でした。いつも家にいるときは、誰かが自分の家に侵入してくるのでは
ないかと思っておびえていました。カーテンを開けることもできず、電気を消して息をひそめていました。
他に、不眠、吐き気、嘔吐、頭痛、下痢、抑うつ、涙もろい、感情が制御できない、文字が読めない、頭の
回転が遅い、集中できない、物事を覚えられない、焦り、希死念慮、自傷行為、などがありました。
A.@刑事、民事裁判とも行いませんでした。まず、恐くて警察に行けなかったので、後で訴えたいと思った時
には証拠もなく後の祭りでした。私の場合は加害者が上司なので、裁判をすれば自分は退職せざるを得ない
と判断し、民事も断念しました。
A.沢山あります。
意外かもしれませんが、「死なないで」「死んじゃ駄目」「生きていればいいことある」「死んだら楽しいこ
と全部なくなっちゃうよ」「死んだら悲しむ人がいる」「俺(私)の顔を思い出して死ぬのを思いとどまって」と 言われたことが、一番苦しかったです。
二次被害の台詞の定番ですが、「お前よりもっとひどい目に遭った人もいる」「あなたはまだ恵まれている」
「早く忘れろ」「早く気持ちを切り替えろ」「どうして断らなかったの」「なぜお酒を飲み過ぎたの」「何で
持っと早く言わなかったの」「どうして警察に行かなかったの」なども言われて辛かったです。
A.いくつかあります。台詞の内容よりも、誰に言われたかが私にとっては重要でした。
@医者から「死なないようにはしますから」「絶対によくなります」
Aサバイバーから「よく頑張ってきたね」「ありがとう」
A.@私の場合、被害直後〜2年後までは記憶を封じ込めていて辛さも悲しさも感じることすらできませんでした。
A被害後2~3年後は、辛い、苦しい、悲しい、悔しい、腹立たしい、という気持ちでいっぱいでした。
B被害後3年後以降は、だんだんと楽しい、嬉しい、面白い、と感じるときや、ほっとする気持ちになれるとき
も少しずつ増えて行きました。苦しさやつらさがゼロになったわけではありませんが、それ以外の感情も再
び持てるようになりました。
Cこれはものすごく個人的な考えですが、被害やトラウマと(能動的に)“向き合った”時間(受動的に“向き合わさ
れた”時間ではなく)と反比例して、自分の心の中、人生の中で被害が占める割合は減っていく気がします。単
純にに時が解決するわけではありませんが、長い時間の中で、自分自身やトラウマを見つめることを繰り返
すことで、少しずつ事件が自分の中で消化され収まるところに収まっていく気がします。
A.被害後を生きていく中では、被害に遭わなければきっと得ることのなかった精神的な成長や、人との出逢いや があり、被害に遭わなければおそらく意識していなかった大切な物・事に気づくことが出来たところがありま
す(…と思えるようになったのは被害から数年も経った今だからこそですが)。
E-mail:
purplelabo★gmail.com
※“★”を“@”に変換して送信してください。
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